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2013年10月26日

「認知症のケアと薬物療法」の講演

今日は、AiAi広場で、長浜調剤薬局主催で、「認知症のケアと薬物療法」の講演をしました。
薬剤師、看護師、ケアマネージャーなど約60名の方にお集まりいただきました。
長浜調剤薬局の皆様、お集まりいただいた皆様ありがとうございます。

ポイントは・・・

認知症で一番困っているのは、ご本人です。

「物忘れ」でなく、新しく「覚えられない」のが、一番の症状です。
覚えられないのは仕方ないので、助けてあげましょう。

いやなこと、楽しいことは、心に残ります。
だったら、楽しいことを心にとどめましょう

介護するときには、怒ってもいいです。
でも、そのあと、楽しいこともして、プラスマイナス・ゼロにしましょう。

1.認知症を正しく理解して、
2.前向きに捉え、
3.いい関係を大事にすること
こそが、認知症の一番の治療といえます。






  
タグ :認知症講演


Posted by neriya at 17:30Comments(0)認知症

2011年01月30日

歯がないと認知症になりやすい その2

先日書いた、認知症と歯の話をもう少し詳しく・・・。

認知症になった方の割合のグラフは下のようになります。



歯の状況を確認して、4年の間に認知症になっていないかを調べました。

20本以上歯のある人で、認知症になった人は約2%(認知症にならかった人は約98%)
19本以下の歯のある人で、認知症になった人は約3%(認知症にならかった人は約97%)
歯がほとんどなく入れ歯を使っている人で、認知症になった人は約7%(認知症にならかった人は約93%)
歯がほとんどなく入れ歯を使っていない人で、認知症になった人は約12%(認知症にならかった人は約88%)

という結果です。

これだけみると、歯がほとんどなく入れ歯を使っていない人は、20本以上歯のある人の6倍認知症になりやすい!!
ということになってしまいます。

ただし、
高齢の人、
高血圧などの病気を治療していない人、
飲酒が多い人(1日焼酎1合以上で普通の人より10年早く脳萎縮が進行し)、
運動しない人(週3回以上運動する人ではそうでない人に比べ、認知症約3割減少)、
なども認知症になりやすくなります。


これらの影響をを差し引くと、歯がほとんどなく入れ歯を使っていない人は、20本以上歯のある人の1.9倍認知症になりやすい。

ということになります。

飲酒や運動については、またいずれ・・・。 

歯を失うと認知症のリスクが最大1.9倍に
~厚労省研究班が愛知県の健康な高齢者4425名のデータを分析~

 認知症発症に影響する年齢,治療疾患の有無や生活習慣(飲酒と運動)を考慮し,リスクの度合いを計算すると,20歯以上の人に対して歯がほとんどなく義歯未使用の人の認知症発症リスクは1.9倍,なんでも噛める人に対してあまり噛めない人のリスクは1.5倍,かかりつけ歯科医院のある人に対するない人のリスクは1.4倍であった。

山本龍生,近藤克則,他.現在歯数、咀嚼能力およびかかりつけ歯科医院の有無と認知症を伴う要介護認定との関連:AGESプロジェクトのコホートデータによる分析.第21回日本疫学会学術総会(平成23年1月21日,札幌市)より抜粋

http://square.umin.ac.jp/ages/press-releases/10-007.pdf
  


Posted by neriya at 19:31Comments(0)認知症

2011年01月26日

歯がないと認知症になりやすい!!

20世紀の終わりごろの話です。。。

介護保険が始まる前の年に、日本福祉大学の近藤克則(こんどう・かつのり)先生に講演に来ていただいた事がありました。
当時は助教授、今は教授になられています。

昨日の奄美の地元紙にも掲載された記事です。


歯の悪い高齢者、認知症になる可能性2倍近く

 65歳以上で自分の歯がほとんどなく、入れ歯を使っていない人は、歯が20本以上残っている人に比べ、介護が必要な認知症になる可能性が1・9倍高くなる ことが、厚生労働省研究班(主任研究員=近藤克則・日本福祉大教授)の調査でわかった。

 愛知県の65歳以上の4425人を対象に2003年から4年間、アンケートを実施。この間、介護が必要な認知症を発症した割合は、歯が20本以上残っている人は2・9%。一方、歯がほとんどなく、入れ歯を使っている人は7・3%、歯がほとんどなく、入れ歯も使わない人は11・5%に上った。

 年齢の違いや持病の影響を考慮して計算した結果、自分の歯がほとんどなく、入れ歯を使っていない人が認知症になるリスクは、歯が20本以上残っている人に比べ1・9倍高かった。食べ物を「あまりかめない」と答えた人の場合も「何でもかめる」と答えた人より1・5倍高かった。 (読売新聞 1月24日(月)20時48分配信)

別の新聞では、

歯を失う原因となる歯周病などの炎症が直接脳に影響することや、
噛めなくなることで、脳の認知機能の低下を招く可能性があると考えられる

とも書かれていました。

個人的には、歯が残らなくなるような生活習慣自体にも問題がありそうな気もします。

近藤先生に久しぶりにメールを送って、詳しい結果をうかがっています。
詳細はまたあらためて・・・(@^^)/~~~  


Posted by neriya at 23:39Comments(4)認知症

2010年12月21日

トゥジに「あなたは誰ですか?」

ある認知症のオジ(じいちゃん)とそのトゥジ(奥さん)のお話。

先日の外来で、トゥジから訴えられた悩み・・・

午前2時から4時の間、ウトゥ(夫)が突然、起き上がって叫びだす。


「自分を殺しにくるから怖い!!」「助けてくれ!!」
「ここは自分の家ではない!!」「外にいく!!。子供の所にいく!!」(自宅にいるのに・・・)


夫が一晩中眠らない・・・自分も眠れないので、疲れた!!((+_+))

と、トゥジ。

続けて一言・・・「安定剤がもらえないかい?」


こういうときは、実際のところは、<睡眠薬・安定剤>を出すと、
本人は、ウロウロ。家族はイライラ。となり、かえって悲惨な状況になる!
または、動けなくなるまで、薬を使うことになる!

ことが少なくありません。

認知症の方に、安定剤を出すと、不安定になり、睡眠薬を出すと眠らなくなる。

という、普通と違う状況が、よくあるのです。


そこで、漢方薬の「抑肝散」を出しました。


そして、2週間後・・・


トゥジから、
「夜中はトイレの場所を教えらんば、行かれんこともある。」

「トイレまで行ったと思っても、小便器に大便して、後始末をせんばいかん。」

という状況は、あるもののウトゥ(夫)から、

「あなたは誰ですか?御礼言わんばいかん。」と、

敬語で言われるので、頭をなでている(笑)(^_-)-☆


ともおっしゃってました。

こういう余裕をもって接すると、

(認知症のウトゥが)怪しい男が来ていると言って、杖を持って外へ出たが、叩いたら警察沙汰になると言って帰ってきた。(本人は覚えていないみたい(^_^;))

という様なことも出てきます。

幻覚でとどまるか、問題行動に発展するかの差は、本人と家族の心の状態でひとつです。

認知症ケアで大事なことの教訓!!!
☆一緒にいる人の心のゆとり 
☆安定剤、睡眠薬を避けること



  


Posted by neriya at 00:05Comments(0)認知症